ANA国内線【PR】

生きているから生きていける

私はそれでいい

ウツボラ(2)(完) (エフコミック) (エフコミックス)

中村明日美子 / 太田出版



実はまだ頭の中が整理できていない。
一読して意味がわからなくて、でもものすごい物語力にラスト泣きそうになった…
だって最後の最後のあのコマ!!!!!!!!!!!
これは1、2巻まとめてよんだほうがいいな…

ここから凄いネタバレなんだけも。
結局最初に死んだ彼女がウツボラの作者で、先生のファンで。
そして今生きている彼女も先生のファンで、『彼女』を先生自身の物語の登場人物にするためにここまでやったって、そういうことなんだろうか?
あとまさかの先生●●設定…あーなんかあれですよ、ここまで女にもてそうな先生の周囲に女の影がなかったことや、どこか卑屈で自信なさげなとことか、色々納得しました。中村先生凄い。でも髭をそったラストの先生の色気の威力半端なくてもだえまくった。
いい物語だな―これ。いろんな読み方ができる。いろんな人の視点から。二人の彼女が望んだことは、一歩間違えるとバカみたいな、夢みたいなことなのに、この説得力!鮮やかなあのラスト!
好きだ―…

あとこれ結構気になった人多いと思うんだけど、結局辻君はどうなったの…?出版社に戻ってきたの…?それだけが気がかりで…


今日のニコニコ



大好きな曲。ものすごいスケールのでかさを感じて、感動鳥肌が立ってしまった。コメントにもあるけど、本当にミュージカルを見せてもらったみたい。旅に出たくなる!

そしてこれ。元曲が浮上してて嬉しかった。



やっぱり私が灯油さん好きなのって、声や歌い方よりも、MIXとか、あと曲の好みが同じなとこかなぁって思った。まさかこれを歌ってくれるとは思わなくて。
個人的に歌ってみたがでることで元曲が浮上するのは、元曲が好きな身としては嬉しい。
ただそういうときに「これが上がったのは●●さんのおかげ」とかいうコメントを観ると、色々と考えなしの発言に萎える。え…その不発弾みたいなコメント、誰に得があるの…それとも釣り?私つられちゃってんの?


鉢かつぎ続きだよ!相変わらず全然瀬戸壬生らないよ!


一寸法師 2

「ひ、ひめぇぇぇ?」
「そう。正確には鉢かつぎ姫ですけど」
 まっきーはそう言って、壊れた眼鏡を押し上げた。
 まっきーこと田辺真紀は、僕の部屋の真上に住んでいる。兄弟が多くて、貧乏で、懸賞で当てたという奨学金で入学してきた。しょっちゅう物を落として壊して、やたらと煩いから文句を言いに行って知り合った。運がいいのだか悪いんだか、よくわかんない子だ。
 今は同じ学年と言うこともあって、勉強を教えてもらっている。何せ僕は5月の入学生で、1か月を取り返さなければならない。壬生屋さん――まっきーに言わせればあだ名は『姫』らしいが――は筆談しかできない。勉強を教えてもらうには不向きだ。
「姫って…そんないいものかなぁ」
 そうなのだ。この僕のいない1か月の間に何があったのか、隣の覆面女こと壬生屋さんは意外なことに学校にも、クラスにもそこそこ馴染んでいたのだ。教室に入れば「おはよう」と声をかけられるし、授業のグループワークで仲間外れにされることもない。流石に特定の友人はいないみたいだけど、あの状態であれば驚くことでもないと思う。
「まぁ目立ちますし――」
 まっきーはのんびり言う。そりゃ目立つよ。
「実際お姫様みたいじゃないですか。古風で」
 …それはまぁそうだ。さらさらと書かれる文字は相変わらず綺麗で、その上そこに記される言葉の数々はやたら古風で丁寧だ。この間なんて「ここ男子寮と女子寮完全には別れてないんだねぇ」(渡り廊下で繋がっているのだ)と雑談していたら『嘆かわしいです。男女七歳にして(後略)』と書かれて、僕は答えにつまった。後で先生に聞いたら、それは年を重ねた男女がみだりに同席するもんじゃない、というようなスーパー頭の固い格言だった。確かに、いつの時代の人間だよ、とその時は思った。
「それにすっごく運動神経が良くて、よく運動部の助っ人に呼ばれてますよ。あの恰好だと公式戦には出れないみたいですけど、練習試合とか、練習相手とかに」
「あー…そうだねぇ…あれはびっくりした」
 面をかぶった視界で、流石に体育は見学だろうと思っていたら、あれをかぶったままジャージに着替えていた。しかも足は速いし、持久力も瞬発力もあるし、球技にも対応可能。僕も運動神経には自信があるけれど、あんなものかぶったままであそこまで動ける自信がない。そんなこと言ったら、あんなものかぶったまま日常生活を支障なく送っていることも十分驚くんだけど。往々にして、体育の成績がいい子は、クラスメイトに一目置かれる。『姫』というどこか高貴なあだ名は、そこからも来ているのかもしれない。
 鉢かつぎ姫、というのは確かおとぎ話のお姫様の名前だ。実の母が残した遺言どおりに、鉢をかぶったら頭から外れなくなってしまったお姫様。じゃぁ、壬生屋さんは?
「――壬生屋さんは、なんであんなものかぶってんだろ?」
 僕はずっと気になっていたことを、まっきーに聞いてみることにした。これはタブーな話題かと思って、クラスのみんなにも壬生屋さん自身にも聞けなかったのだ。けれどまっきーはあっさりと答えてくれた。
「さあ、誰も知らないんです。噂なら沢山ありますよ?顔に凄く大きな傷がある、とか。実は男の子、とか。本当に呪いでとれないんだ、とか。すっごい有名人の娘だ、とか。…でもまぁ、この寮にいる人間には色々事情がありますし、それを知ったところでお腹はふくれませんから」
 まっきーは笑う。僕はその笑顔を見ながら、そういえばまっきーは僕の『事情』を知らないな、と思っていた。それはそうだ。話していないもん。僕はこの学校の誰にも、まだそのことを話していない。そんな気分にはまだなれない。きっと、壬生屋さんも――姫もそうなんだろう。そう思ったら、僕はなんだか姫が他人とは思えなくなってしまった。
「…ねぇ、姫ってバスケできるかなぁ?」
「できるんじゃないですか?この間バスケ部の練習に呼ばれてましたよ」
「ふ~ん、1ON1の相手してもらおっかなぁ」
「あ、じゃ私も」
「えーいいよ。まっきーはどうせ眼鏡割るもん。球技なんて鬼門じゃん」
「…そうですね…」
 きっと僕は超へたくそになっているだろう。高校生の練習相手に呼ばれている姫からすれば、生ぬるい相手に違いない。こてんぱんに負かされて…その時の気持ちで決めてしまおう。バスケをやめるか、続けるかを。

僕だって、このままここに立ち止まっていたくはない。僕の絶頂が終わっていても、その後ずっとどん底にいる必要なんてないんだから。

# by haruyi | 2012-05-28 01:53 | コネタ | Trackback | Comments(0)

ぼくらの

と聞くと、コエムシと言いたくなる私のサガ。

買ってみた。

僕らの漫画 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)

「僕らの漫画」制作委員会 / 小学館



小玉ユキさんとかヤマシタトモコさんとか目的で買ってみたのですが、ほとんどはずれがなくて大変面白かった。募金漫画ということで、その主題に沿ったものもあれば、全然無関係なものもあって、好きなものを各々書いた感じが素敵。
目的となった先生の2作品はすっごく面白かった。
小玉さんは、おそらく避難してきた少年のお話。月の窓のくだりは、私うるってきてしまった。
ヤマシタさんは、相変わらずのヤマシタさんクオリティ。プラトニックな片思いのお話。きゅんとなった。
あとは
わたしとおじさん→お父さんをおじさんと呼ぶ代わりに、駄目父が娘を女子高生さんと呼ぶのにワロタwwwww
かみさまのトロンボーン→こういう寓話的なお話好きだ…えすとえむさんはやっぱり画力高い…
ラッキースター→進藤ウニさんのオリジナルで、今まで読んだ中で一番好きかも…
のあのはこぶね→らすと…福音の鳩が…とんでますよ…実はこの温泉の話が、アンソロ中一番スケールがでかいっていう…
僕らの未来はスカートの中→いーなーこういう漫画大好きだー!でもあれだよね、これおっさんのいうことが真実かもしれないっていう…そういう恐ろしい漫画でもあるんじゃないかっていう…
あまのいわと→うわー働く女子にはたまんない内容だった。私も若干接客業だったからちょっと身につまされた…勇気づけられもしたよ。
YNWA→これ、ミニドラマにしようぜ…ええ話やん…しかも絵になる…
あとラスト2作品は、さすが、という感じでした。
私はどちらかというと支援しようというよりは、純粋に漫画が読みたくて買った人間です。そんな人間でも、被災地の方々の支援ができるという機会を与えてくれた上に、大変楽しませてもらって…色々と感慨深い作品でした。どっちにしろこのボリュームでこの価格はお得だと思う。


今日のニコニコ




ぺぺろんさんのこういうザ・アニソンという曲が好きです。しかしかっけー。

はちかつぎ続きを載せようと思ったのですが、昨日はキスの日だったらしく、ピクシブがキスのお題絵であふれていて、その中に腹部にキスで「回帰」という意味というお題があって、たぎって頭わいた結果飛び出た瀬戸壬生コネタがあるので先にそれ置いときます。あ、最初に言っときますが事後です。


「や、くすがったいです…」
 狂乱の時間は過ぎ去って、互いの熱ののこる体をからませ合って…壬生屋は腹部に落とされる口付に、身をよじった。瀬戸口の柔らかな髪が、腰のあたりを掠めて笑いが漏れる。
「ふふふ、もう」
 瀬戸口は眼前の白い肌に何度も何度も唇を押しつけた。おへその形すら可愛らしく見える自分は、相当彼女にいかれているのだろう。――この腹の中には、さっき自分が吐き出した欲望がある。それを受け止めたのは、本来新しい命をはぐくむべき器官だ。そう思ったら、唐突に――
「俺、未央のこどもになりたい」
 しつこいくらい腹部に口づける男が、その体勢のまま唐突に言い放った言葉に壬生屋は思わず笑いを止めた。
「隆之さん?」
「だって、そうしたら生まれた時からずっと未央と一緒にいられるわけだよな。未央の子供に生まれて、未央に愛されて――」
 自分の腹に頬を乗せて、子供みたいなことを言う男に、壬生屋はため息をついた。優しく、その柔らかな赤毛を撫でる。
「こどもは、恋人にはなれませんよ」
「知るもんか。大人になった俺は、未央の恋人になればいい。未央は、俺の母で、姉で、恋人で、妻なんだ」
「目茶苦茶ですよ」
「うん。目茶苦茶だよな…でも、それぐらい俺はさ…」
 そのまま瞳を閉じた男の顔は存外幼くて、壬生屋は一瞬瀬戸口の母のような心地を味わった。
「そうですね。あなたはわたくしの息子で、弟で、恋人で…ふふふ。目茶苦茶です」
 腰を抱くたくましい腕の感触に、壬生屋もうっとりと身を委ねて目を閉じた。結局自分も、彼と同じなのだろう。いつだってこの腕の中へ帰りたいのだ。

闇の中で胎動する一個の命のように、二人は互いの体を抱きしめて、ゆっくりと呼吸をした。



オチなんてない!

# by haruyi | 2012-05-26 00:29 | コネタ | Trackback | Comments(0)

かぺ!

まったくもって今さらであるが、宇宙兄弟を後輩から借りて、私の中でフィーバー的なものがおこっている。どうしよう死ぬほど面白いんだけどこれ。きっと完結までに私か後輩が転勤して借りられなくなったら全巻自分でそろえるレベル!!

宇宙兄弟(16) (モーニング KC)

小山 宙哉 / 講談社



アニメもね・・・見始めちゃったよ…
16巻を選んだのは、タイトルを観ていただいてわかる通り、私がケンジスキーだからです。
色々面白い巻はありますが、実は冒頭の選抜試験【密室空間での共同生活】のあたりが一番好きだったりします。各々の性格がよく出た、凄く素敵なくだり。
ケンジはあれですね…リアルにいたら結婚したい類の男ですよ。いやもう作中で結婚して子供もいるけど。
でも出てくるキャラクターの全てが魅力的で、みんな『ここすきやー』という部分があって。そこがこの作品の魅力だと思います。もうムッタとか、嫌いなやついないんじゃないか!!!!
ムッタの告白を勘違いしてひきずり続ける室長が今のところお気に入りです。声出してワロタww

あとあれですね、巻を進めるごとに『宇宙飛行士』として選抜された人の集まりなんで、ある程度人間として『できた』人ばかりになっていくのが、若干物足りないかもしれない…いやそれでも凄く面白いよ…どうしたらいいのこの胸の高まり…

今日のニコニコ



これは…泣いた…

薄い本を買いあさる程度にはフェイト零にはまっているのですが、キャラ的にはケイネス、時臣と、もう天へ召されている人たちが好きです。ロ凛ちゃんは別格!!!!
カプ的には、ディルケイ、言凛、マボワあたりが好きかなぁ。
ケイネス先生はすっごいやなやつだと思うんですけど、ラスト魔術師としての自分より結局ソラウを選ぶ所で泣いた。そして妄想まみれでもいいから幸せになってくれとディルケイウマイデスモフモフ。
元が死ぬほどシリアスなので、ギャグやパラレルが際立つのが楽しい。


さてここからはまた連載小ネタを…
俳優瀬戸口を書いているうちに思い浮かんでしまった学園瀬戸壬生。
ものすごいパラレルです。しかもうちにしては珍しくオールキャラ出演かも。
一応タイトルは「鉢かつぎ姫」
しばらく瀬戸壬生になりませんがご了承ください。
あときっと長くなる。



鉢かつぎ姫


一寸法師 1



 僕の人生の絶頂は、中学校1年で終わった。
 小学生のころから、僕は女子バスの世界ではスーパースターだった。全国にも行ったし、ユースにも選ばれた。そのまま中学に上がって、僕は初めてレギュラーから外された。別にショックでも何でもなかった。まわりも仕方がないと言う顔をしていた。
中学は皆成長期のはざまにある。僕は元々大きな選手ではなかったから、背の伸び切った3年生に混じれば埋もれてしまう。そのうちに背が伸びれば、あっという間に全てを取り返せると思った。
 ――けれど、1年たっても、2年たっても、僕の背は伸びなかった。小学生の頃は整列の中ほどにいたのに、いつの間にか僕は列の先頭になっていた。3年になると、小学生の頃は僕より全然下手だった子が、レギュラーになった。僕は1年生よりも小さくて――居た堪れなくて、部活を辞めた。そしてそのまま学校に行くのも辞めた。
 僕はバスケが好きだった。僕にはバスケが全てだった。それを失って――いや、いいわけだこんなの。それを『諦めて』僕は何をしていいのかわからなくなった。だからこんなとこに入れられたんだ。

「…うわっ…最悪…」

 僕はこれから暮らす寮を前に、思わずそう口にしていた。案内をしていたパンチパーマの(今時!)先生が振り返って苦笑する。
「まぁまぁ。見た目はぼろいですが、暮らせば快適ですよ。何より、お金をかけていないからこそ、公立で寮を運営できるわけですから」
「…はぁ」
 中学を辞めて、高校受験もほっぽり出してふらふらする娘を持て余して、僕の親は僕をこの寮付の高校に放り込んだ――そういう意味でこの学校は有名だ。まぁ、偏差値は中の中。普通の学校なんだけど、公立にしては珍しく寮があって、訳ありの生徒を受け入れている。僕みたいな中学あるいは高校ドロップアウト組とか、国から援助を受ける様な苦学生とか、とんでもない不良とか――そういう意味でも、僕はこの寮が不安だった。僕は別にそういう気合いの入った問題児じゃない。なんとなくふらふらしているだけの一般人だ。こんな寮で、うまくやっていけるんだろうか。あとうちの親も、娘を学校に放り込むタイミングをもっと考えてほしい。なんで4月頭じゃなくて、GW開けなのか?

「新井木さん。ここが貴方の部屋です。はい、これ貴方の鍵ね」
 歩くたびにぎしぎし鳴る廊下とか、本当あり得ない。建物の古さの方が気になって、だから僕は、あんまり先生の話を聞いていなかった。
「貴方の隣は――ああ、壬生屋さんの部屋ですね。壬生屋さーん、いらっしゃいますか?もう連絡はしてありますど、今日から隣に入室する新井木さんが来ましたよ。挨拶してくださーい」
辺りを見まわしながら、僕はとりあえず隣の人はそんなにキャラが濃くなければいいな、等と考えていた。だから
「うえっ」
 扉が開いた瞬間、僕は変な声を上げていた。多分、その『壬生屋さん』とやらにも聞こえたろう。けれど、彼女がそれを不快に思ったかどうかは、全く解らなかった。何せ、扉の隙間から見えるその顔は――剣道の面をかぶっていて、全く見えなかったから。
 仮に、全身剣道姿であれば、僕は彼女をとんだ剣道馬鹿、あるいは剣道の特待生とでも理解したろう。けれど決してそんなことはなく、顔から下は僕と同じ制服姿――こんな面なんかかぶっている癖に、ひらひらしたスカートをはいている!――で、僕は硬直せざるを得なかった。大体、こんなんでどうやって会話をするのだ!
 そんな僕の疑問を察したかのように、壬生屋さんとやらは胸元からやけに細長いメモ帳を取り出し、さらさらとペンを走らせた。そうやって掲げられたメモ帳に書かれた文字は、習字の先生みたいな達筆だった。
『はじめまして。壬生屋未央です。よろしくお願いします』
 まともだ。見た目のインパクトを裏切る常識的なあいさつに、僕も思わず
「はじめまして。新井木勇美です」
 とまともなあいさつを返していた。面をかぶった頭が深々と礼をして、僕は慌てて礼を返した。――なんだこりゃ。
「というわけで、寮のことで解らないことがあれば、壬生屋さんに聞いてください。よろしくお願いしますね、壬生屋さん」
『かしこまりました』
 僕はちょっとした放心状態だったのかもしれない。だから。あれよあれよと進められる会話(?)に口をさしはさむ余裕もなかった。
「あと、壬生屋さんと新井木さんは同じクラスですから、案内もよろしく」
『心得ました』
「え?」
 ちょっと待て。寮のみならず、授業でも一緒なの?この剣道女と?もう僕の高校生活、最初からぶっとびすぎじゃないの?
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえ」

 それが僕と、壬生屋未央こと、鉢かつぎ姫との出会いだった。

# by haruyi | 2012-05-22 22:48 | コネタ | Trackback | Comments(0)

じゅんにい安定のかっこよさ

最後まで…

坂道のアポロン 9 (フラワーコミックス)

小玉 ユキ / 小学館



この間のアニメを見てしまうと、この表紙はこだま先生がアニメのあのシーンを意識して書いたのかと思ってしまう…
最後まで千とボンのピュアっピュアな友情の話だった。これは下手なBLよりも、絆が深いと思う。だって結局同じ島で働くんだよ?どんだけ好きなんだww
すっごくさわやかで優しくていろんな意味で「古き良き」物語だと思います。番外編が楽しみ~♪

そして安定の胸糞の悪さ

おやすみプンプン 10 (ヤングサンデーコミックス)

浅野 いにお / 小学館



愛子ちゃんがきたーーーーーーーーーー!!!!!!!
相変わらず奈落の匂いのする女の子だなぁ。愛子ちゃんもプンプンも胸糞悪い。自分勝手なはずのさっちゃんですら、二人の前では「まとも」に見える不思議。
やっぱりプンプンからは「人間失格」の匂いがする。
これからどうなっちゃうんだ…怖いけど先が見たい。


さりげなくエロイ。

お慕い申し上げます 1 (ヤングジャンプコミックス)

朔 ユキ蔵 / 集英社



まぁあれですよ、最初手に取った理由は、節子さんが見た目未央ちゃんだったからですよ…
でも存外真面目な仏教漫画でした。ある種生々しいですが。
なんだかんだいって、真面目なせいげん君がかわいそうといえばかわいそう…なのかな。でも節子さんの「妬ましい」もせいげん君の「死ぬのが怖い」「もんもんする」も、リアルな悩みで、こういうリアルな悩みに真正面から取り組む仏教漫画って、今まであんまりなかった気がするので、この先に期待です。


今日のニコニコ



コネタ満載動画。歌そのものよりも、独特のドンツクサウンドが好き。低音が堪らん。しっかし、夢のようなメンツ…



俳優瀬戸口エクストラ 瀬戸口隆之大河ドラマに出る その2



 壬生屋未央は混乱の極みにあった。
 今日は、夫の瀬戸口と一緒に阿蘇での大河ドラマOP撮影の見学に来ていたはずだ。
 基本的に大河ドラマのOPというのは、イメージ映像が多く、人物は登場しない。出てくるとしても、それはイメージ映像に近く、今までも主演俳優以外の出演はあまりない。今回もそういうものだと聞いていた。阿蘇の平原を、騎馬武者が駆け抜ける。そういう映像の撮影だと。それが、何故。
「…わたくしが、何故このような格好に…」
「いやー!流石未央さん!絵巻物から抜け出てきたような巫女姿!ね!瀬戸口さん!」
「…」
「瀬戸口さん?」
「いや…胴着もそれっぽかったんだけど、やっぱりきちんとしたものを着せて、メイクすると、未央は本当にお姫様みたいだなぁ…」
 目の前でぽうっと目元を緩める夫の姿に、壬生屋は頭が痛くなってきた。
 撮影場所に来るなり、大きな車の中に押し込まれ、あれよあれよという間に巫女姿にされ、メイクを施され、ぽんと車外に放り出されれば、相好を崩した夫と、見知らぬ男が立っていた。聞けば、今回のドラマの演出家なのだと言う。
「脚本家の先生と、オープニングのコンテを切った時、流れ巫女の剣舞をいれたいという話になったんです。本来なら、その道のプロ――殺陣のできる女性を用意すればいい話なんでしょうけど、私も脚本家の先生も、不思議な事に頭の中のイメージは未央さんだったんです。もしかしたら、俳優選考の際に目を通した、カメリアローズの広告の印象が残っていたのかもしれませんが…それで、瀬戸口さんに頼みこみました」
 真っ青になった壬生屋が助けを請うように夫を見れば、瀬戸口はにっこり笑う。
「大丈夫。うちの社長の許可はとってあるから」
「そういうことではなくて!」
「台詞はないし、剣の動きも指定はない。壬生屋流は、起源は戦国だろ?時代考証に矛盾はないし、行事の時にやってる剣舞をやればいいだけさ。大河ドラマのOPなら、親父さんもご先祖様も大喜びだろう」
 そういって何時の間に用意していたのか、瀬戸口は壬生屋家の家宝である鬼しばきを取り出した。
「――それに、未央はこれさえ握れば、全てを忘れて没入できると思ってさ」
 確かに、この慣れ親しんだ感触は、壬生屋の心をすっと落ち着かせた。瀬戸口の言うこともいちいちもっともで、父など泣いて喜ぶだろう。自分も――嬉しい事には、嬉しいのだ。「…承りました。わたくしも最善を尽くしますが、所詮素人です。作品にそぐわない場合は、1カットも使わないでください。隆之さんへのお心遣いも無用です」
 壬生屋の大仰な台詞に「ほんとに時代劇の中から出てきたみたいだな…」と周囲のスタッフが思ったことは余談である。


 鬼しばきを握って、壬生屋は草原のただ中に立った。カメラの遠方、豆粒ほどの遠くには、この後の撮影を控えた馬や、甲冑をまとったエキストラがいる。周囲の機材や車の事を忘れれば、本当に戦場のようだ。――壬生屋は、一度目を閉じ、深く深く息を吐いた。剣を握った以上、余計な邪念は捨てなければならない。この手に握ったものは、人を殺す事ができる武器なのだ。油断すれば、誰かを傷つける。その覚悟を持って。

 さらさらと風にそよぐ下草の音がする。天と地。そして己と刃。剣舞とは、シンプルなそれらを一つにまとめる作業だ。あるべき形に空を切り裂けば、それは何より美しく強い一閃になる。その理は現代でも、戦国の世でも変わりはないはずだ。
「――参ります――!」


 モニターの中、一心不乱に舞う壬生屋の姿に、男二人は見入っていた。緑の平原の中、ひらりひらりと壬生屋が剣をふるう度に、巫女装束の白い袖が閃く。殺陣とはまた違う無骨な動きのはずなのに、どこか幽玄な風情があるのは、たおやかな黒髪やしなやかな体の動きのせいだろうか。
「…いや、依頼した私が言うのもなんですけど、想像以上です…これ、本編でも使っていいですか?OPの一瞬だなんて、勿体ない」
「いいですけど、芝居は…」
「わかってます!これ以上は奥様に負担はかけません。その辺は、私も先生もプロですからどうにかしますよ」
「あと約束の」
「はいはい。今回撮ったテープは、全てダビングして瀬戸口さんにも差し上げますよ。あとあの設定の件ですよね。…しっかし、瀬戸口さんは本当に愛妻家なんですねぇ。失礼な話ですが、広告戦略的なものだと思ってました」
「良く言われます。――自慢の妻ですから。今も惚れ直しています」
 ぬけぬけと言い放つ瀬戸口の横顔に、演出家は思わず笑っていた。


 カメリアローズ以外には出ないと言われていた壬生屋未央の、大河ドラマへのカメオ出演は、マスコミを大いに沸かせた。そのキャスティングの理由について、脚本家も演出家もこう答えている。
――今回のOPのコンセプトは、戦国を生きた名もなき人々です。彼らとて、ドラマの中の人々のように、闘い、恋をし、生きた。それを表現したかった。若武者は闘い、流れ巫女は恋、民は生の象徴です。(中略)狂言回しである慶次は、そんな名もなき人々と主人公たちを繋ぐ存在なんです。ですから、慶次の私的な人間関係の描写はドラマの中ではほぼありません。風ように人の間を渡りあるく男です。若武者や流れ巫女や、民の傍らにいる。ですから、流れ巫女は慶次の恋人のイメージで選びました。ええ、そうすると自然と奥様しか浮かばなくて(後略)
 
 

 瀬戸口の演じる慶次は、軽妙な持ち味と甘いマスクのバランスで非常に受け、彼の出世作となった。瀬戸口自身も、インタビューなどで今まで演じたお気に入りの役として、慶次の名をしばしば上げている。その理由に関しては「妻と共演できたから」と正直に話しているのだが、そのまま掲載された試しがない。けだし、編集側の賢明な判断であろう。




 結婚しているのに名字が…と思いましたが、瀬戸口の戸籍上の名前は壬生屋隆之。でも芸名は瀬戸口隆之。という感じの脳内設定で書かせていただきました。
でも瀬戸口は戦国の頃の甲冑よりも、源平の頃の甲冑が似合いそうだな、と清盛を観ていて感じた所存。絵がね…書けないんでね…妄想だけなのが悔しいですが…

# by haruyi | 2012-05-21 00:27 | コネタ | Trackback | Comments(0)

なぎ払えっ



これを観に(そして友人にあいに)東京にいったり、ナウシカプチフィーバーがおき、原作をとうとう新品で箱買いしてクシャナ殿下とクロトワに萌えころがったりしたらいつの間にか時間が過ぎていました。いいよね。クシャナ様。女だけど結婚したいわ。

あと榊ガンパレ新刊に悶絶。
「俺は壬生屋のまわりをウロウロする男になるよ」という瀬戸口のストーカー宣言と、壬生屋さんの公式バニー!!!!!!!!次のファンブックでイラストになるよね…??

そしてまた本がたまるっていう。サクサクいきます。

ガチの新連載。

ガンナーズ (1) (カドカワコミックスAエース)

天王寺 キツネ / 角川書店(角川グループパブリッシング)


やばい。やっぱり面白い。
今回は割とガンパレとかイレブンソウル見たいな世界観。主人公のひねくれぶりが最高。あと天王寺先生の趣味炸裂の黒髪無双(女子キャラについて)が起こりそうで大変楽しみ。
男の子たちが可愛いんだよなー。


西尾節炸裂

悲鳴伝 (講談社ノベルス)

西尾維新 / 講談社



地球と戦う「正義の味方」に選ばれた空っぽな少年が、空っぽゆえに仲間を殺しまくって、最後には逃げ出す話。こう書くと見も蓋もないが面白かった。とにかく殺伐としているなかに、萌えと、中二と、言葉遊びを詰め込んだ感じ。でも多分ただただ「ラノベー」とながせないのは、誰一人として幸せになっていないからだと思う。続きが読みたいような、読みたくないような…
空君の中に、最後に生まれたのは感情だったんだろうか…?

安定の面白さ

87CLOCKERS 1 (ヤングジャンプコミックス)

二ノ宮 知子 / 集英社


のだめの二宮先生の今度の題材は…これ、なんて言ったらいいんだろ…
私も全貌がよく…
いや、面白いです。ちょー面白いですが…強いて言うなら、この本はアキバの電気街で平積みにされるべき内容だと思います。

今日のニコニコ


やっぱりこの人の作品大好き。安定の謎の感動タグに納得。


まさかのコラボ!そしてまさかの依頼主!俺得でよろしく!


皆さまの拍手で生まれた俳優瀬戸口番外編も載せます。

俳優瀬戸口エクストラ 瀬戸口隆之、大河ドラマに出るの巻その1

 壬生屋未央は、新婚の夫であるところの瀬戸口隆之がどういった番組に出るとか、どういった役を演じるとか言った事にさほど興味がない。
 勿論、大事な夫の仕事ぶりである。一通り目は通すし、感想も言う。けれど、誰に会いたいだとか、あそこはこうした方がいいとか、そういった意見を言った事はなかった。元々そんなにTVや映画を見る人間ではなかったし、「ラブシーンを見ると、お芝居とわかっていても胸が痛くなってしまうんです」という、瀬戸口に言えば何故か毎回嬉しそうに笑われてしまう現象の影響もあるだろう。
 そんな壬生屋が、唯一著しい反応を示すジャンルがある。――時代劇だ。元々おばあちゃん子だった彼女は、時代劇に関しては並々ならぬ思い入れがあるらしく、瀬戸口が出演を決めると何やらそわそわし始めるのだ。(本人としては隠しているつもりらしい)
そういう時は、えてして礼儀正しく控え目な妻のため、共演する時代劇の大御所俳優の写真やサインをこっそりもらい、妻にプレゼントするのが瀬戸口の楽しみであった。
 だから――
「未央、俺、大河ドラマへの出演が決まったんだ!」
 そう告げれば、未央は大喜びするだろうと瀬戸口は踏んでいた。何せ日本の時代劇のある種最高峰ともいえるドラマであり、出演することは俳優にとっては一つのステイタスだ。だが、壬生屋は瀬戸口のその台詞を聞いた途端、真っ青になって仏間に飛び込んだ。そのまま仏壇に向かって一心不乱に祈り始めた妻に、瀬戸口は恐る恐る声をかけた。なんだこの反応は。
「あ、あの、未央…さん…?どうしたの、急に…」
「――おばあさまや、お兄様、それからご先祖様に、隆之さんのお仕事がうまくいくようにお願いしているんです」
「はぁ」
「だって!大河ドラマですよ!全国民が注目して、1年間見続けるドラマですよ!」
 …どうも、壬生屋家の中では、大河ドラマのステイタスが異常なまでに高いらしい。出演するわけでもない壬生屋の緊張ぶりに、瀬戸口は帰って気が抜けた。逆に「相変わらずうちの奥さんは可愛い」といういつもの夫馬鹿ぶりが浮上してくる始末である。
「ところで隆之さんが演じるのは、どなたなんですか?今回はどの時代のお話なんでしょうか?」
「――前田慶次。戦国時代の話だなっ…って、もう祈らなくても大丈夫だから!」
「だって!前田慶次でしょう?戦国の風雲児じゃないですか!」
 いやもう意味がわからない。ただ真剣な妻の顔は相変わらず美しいな、なんて馬鹿な事を考えながら、瀬戸口は苦笑した。
 今回の脚本だと、慶次は狂言回しのような役回りである。激しい戦乱の世を自由に生きた男の目から、過酷な時代の流れが淡々と語られる。主役ではないが、重要な役どころだ。
 ――前田慶次には、そういえば会った事はなかったな。
 こう見えて、瀬戸口隆之は織田信長に会ったことがある。その他の戦国武将にも何人か。誰にも話した事はないが、ガチな話だ。瀬戸口隆之になるずっとずっと前の話のことである。実物を知っているからこそ、ドラマはドラマと割り切って演じることにしている。歌舞伎だって、講談だって、瀬戸口から見れば「おいおい脚色しすぎだろう」というものは星の数ほどあった。しかしまぁそれこそが『芝居』の真髄であろう。
「未央、有難う。俺頑張るから」
 後ろから抱き締めれて、髪に頬を擦りよせれば途端、ふにゃりと力の抜ける妻が愛おしい。
「…あの、お芝居も勿論大事ですけど、お怪我はなさらないでくださいね」
「うん、未央を悲しませるような事はしないから」
 振り向いた妻の頬に唇を寄せながら言えば、ほっと顔が綻ぶ。そのまま押し倒したくなったが、仏間と時間帯を考えて自重し、瀬戸口は本題を告げた。
「俺の出演シーンはないんだけど、OP映像の撮影が阿蘇であるんだ。一緒に挨拶に行ってくれない?」


続く―。
瀬戸口に何をやらせるかで悩みました。高杉さんとか、陸奥さんとか、幕末でも色々考えましたが、
この後の展開のことを考えて戦国に。
昔利家とまつでけいじをみっちーがやっていたことを思い出し、戦国で瀬戸口に似合うのは彼かなぁと。ちなみにイメージだけで言えば、舞は織田信長です。実際芝村の先祖なんでしたっけ?

というわけで皆さま俳優瀬戸口完結に合わせて、沢山の拍手とコメントありがとうございました!以下返信です。



More

# by haruyi | 2012-05-19 14:16 | コネタ | Trackback | Comments(0)

舞え!カテリーナ!

ひゃぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
まさかこの漫画で2828萌え転がろうとは!
しばらくこの漫画で2828分補充させていただきました。
しあわせ。

将国のアルタイル(10) (シリウスKC)

カトウ コトノ / 講談社



読んだ人はわかると思いますけど、これとんでもないスレイマン回でしたよね!
スレイマン先輩を知らない人に説明すると、まぁ見た目からして瀬戸口です。瀬戸口より近衛に近いかも。髭だし。モテメンで仕事のできるイケメンです。
でも別にわたしいままでスレイマン先輩好きでもなかったんですよ。まぁ普通に好きというか、萌えはしないみたいな。
で、今回登場したのがおそらくヴェネツィアをモデルにした水上都市の大統領カテリーナ。色気ムンムンのできる女。でもってスレイマンの昔の恋人。
ここもまだ萌えなかった。まぁイチャイチャしてる二人いいなって思ってたんですけど、タイトルのあたりでもうハイ死んだ―。私萌えつきたー。
まずですね、スレイマン先輩の鷲の名前がカテリーナなんですよね、この時点で気付くべきだったんですよ。もしかしてこれ割と本気度の高い恋愛だったんじゃないのって。
それでもって最後のセリフですよ
「これからしばらく、寝室の警備を担当しますよ、大統領」
 っぶはーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!
かっこよすぎてふいたwwwwwwwww何このネオロマみたいなセリフ!でも悔しい!萌えちゃう!
これこうなる前のカテリーナさんがまたかっこいいから堪らんのよな。暗殺されるのも、市民を守るためにはやむなし、みたいに刃を向けられても美しくてかっけぇの!
大人かっぷるの匂いです。互いに殉じるものがあるからこそ二人はきっと別の道を歩んだんだろうなっていう。でもお互いに特別なんだろうなっていう…
はー、本当この二人の番外編出たら買うわ、マジで。

登場人物はみな可愛いが、ワロタ

月刊少女野崎くん(1) (ガンガンコミックスONLINE)

椿 いづみ / スクウェア・エニックス



いやー、素直に笑った笑った。千代ちゃんが可愛い。野崎君は…かわいい、か?みこりんは可愛いね。そして王子はいい性格しとる。


今日のニコニコ



今、このPV入ったアルバムをポチりたい症状とずっと戦っている…
できれば、この方たちののアルバムがいつか出ると信じて待ちたい…
だがしかし!だがしかし!!!!!!!


俳優瀬戸口
エピローグ


エピローグ

俳優の瀬戸口隆之の愛妻家ぶりは、芸能界の中でも有名だ。妻のために熊本に居をうつし、仕事の際には飛行機で東京まで行ったり来たりしている事は、世の中の人に知られて久しい。しかし何と言っても、彼の愛妻家ぶりを世の中に印象付けているのは、宝飾品ブランド『カメリアローズ』の広告だろう。
 海外モデルを使用していたブランドが、一気に日本での知名度を上げるために起用したのが、彼と、彼の妻だった。東京の駅前ファッションビルの壁面に、そしてTVCMで、旬の若手俳優の隣にいる青い瞳の美少女に、人々は色めきたった。モデルでも、女優でもない、ではこれがデビューのシンデレラガールか、とカメリアローズの記者発表に集った記者たちはそこでの瀬戸口自らの発表に度肝を抜かれた。
 ――彼女は、俺の婚約者です。
 まさか、これはカメリアローズと瀬戸口の事務所の広告戦略だ、と噂にもなったが、結局のところ瀬戸口はそのまま結婚し、十年たった今も妻とカメリアローズの広告キャラクターとなっているのだから、今は誰ひとりそのような馬鹿げたことを言う人もない。

「まぁ、流石に10年間もブライダルジュエリーのキャラクターは勤められないから、去年でお役御免になりましたけど」
「お役御免だなんて…今年からスイート10のCMをされるんでしょう?」
 わざとらしくしょげかえってみせる瀬戸口の姿に、女性誌の記者は笑いながら相槌を打った。
「まぁそうですけど…もう見られないじゃないですか」
「何がです?」
「未央の花嫁姿」
 ぬけぬけと言い放つ男に、記者は苦笑するしかない。まるで新婚の台詞だが、もう結婚して10年たち、三十路になり渋みの出てきた男の台詞である。しかもまたその渋みですら、甘いマスクの新たな魅力にしているのだから小憎らしい――と、同性だからこそ記者は呆れた。
「毎年新しいシリーズが発売する度に、色んな花嫁姿の未央が見れて、俺としては最高だったんですけど」
「――それについて、奥さんはなんと?」
「去年一昨年位から、実年齢を気にしてましたね。こんな既婚の、とうのたった女が世間に花嫁姿をさらして良いものかって。そのたびに、世の女性は30過ぎてからが美しいって――特に未央はその典型だって説いて納得させてたんですけど」
 惚気だなこれは…と思いながらも、記者の手は止まらない。それに瀬戸口の意見に賛同する部分はある。30過ぎてからの女性も確かに美しいし、撮影技術の進歩かもしれないが、画面の中の『彼女』は未だにどこか浮世離れした美しさを放っていた。天女か何かみたいに。未だに根強くCG説があるのもうなづける気がする。
「今後も、奥さまはカメリアローズ以外の仕事はされない予定ですか?」
「されない、というかできないと思います。彼女は本当にこの仕事に向いてないんですよ。潔癖症だし、嘘がつけないし、恥ずかしがり屋だし」
 どちらかといえばマイナスの内容を嬉しそうに話す瀬戸口に、記者は訝しがりながら尋ねた。
「そうですか?どのCMでも、あの柔らかな雰囲気は素晴らしいと思いますけど」
 本当は『艶やかな』と言いたかったが、瀬戸口と話すのが初めてではない記者は、言葉を選んだ。こと妻の事となると、この俳優は敏感すぎるくらい敏感だ。下手な警戒心を抱かれても困る。事実無根だし。
 そういった記者の気遣いが功を奏したのか、瀬戸口は自信たっぷりに答えた。
「それは相手が俺だからです。俺以外の男の前で、未央はあんな顔しません」
 ごちそうさま。そう思いながら、記者は笑って見せた。
「ところで、今日の取材のテーマ、なんでしたっけ」
「夫婦円満の秘訣、です」
 もうお腹いっぱいです。とも思っていたが。





どうも長々とお付き合いありがとうございましたー。
壬生屋さんは熊本でずっと道場してます。CMの場面だけは、私に絵がかけたら…と思いました。
俺もいろんな花嫁姿の未央たんが見たい…俳優瀬戸口の七変化を観たい…
実はフルでの芸能界変換も結構前からあったんですよね。
5121のみんなが、そっち関係のパラレル。
設定考えてるだけで満足しちゃったんで、かけていないのですが。
それもまた機会があれば。
いつも楽しみにしてくださった皆様、ありがとうございましたー。
またこの設定でコネタも書いてみたいです。

# by haruyi | 2012-05-07 01:11 | コネタ | Trackback | Comments(0)

ぶほっ

今相棒の映画を見ながら日記を書いているのですが、やっぱりこのシャワーシーン誰得なんだ…
と冒頭で吹きました。男のシャワーシーンで「あ、これあざとい…」って思ったのMW以来だわ…

さて今日も本の話から。

アニメがほんと、予想外に面白い。

うぽって!! (3) (カドカワコミックスAエースエクストラ)

天王寺 キツネ / 角川書店(角川グループパブリッシング)



元々原作も面白いんだけど、とにかく豆知識っていうか、銃の知識(効果、開発の歴史等)の部分がやっぱり映像だと格段にわかりやすい。でもアニメは3巻臨海学習までやってくれるのかなぁ…
ちいすりちゃんたち初等部の面々も登場。彼女たちも個性豊かな銃たちです。かわゆい。

これも3巻も面白かったぁぁぁぁぁぁぁしかもアニメ化だとぅぅぅぅぅぅぅぅ

超訳百人一首 うた恋い。3 DVD付特装版

杉田圭 / メディアファクトリー



今回は清少納言の物語。うた恋のいいところはあれだな、百人一首の歌人たちが同時代に生きた人々だってことをまざまざと感じさせてくれることだな、と改めて感動。いままで歌そのものを解釈することしかしてこなかったけど(国文学科にあるまじき物言い。授業は受けた。でも専門外だったこともあってか身についてなかった。あかんね)歌と歌の間にある物語をこんな風に見せてもらえるなんて…という感動。すえの松山が清少納言の父親の歌だなんてしらなかったもの…あーこれはきっと100首全部やってくれるな。超たのしみ。その100首の中で過去の登場人物にもう一度会えるのがまた楽しいんだよな、この漫画。地味になんでもできるくせに閑職で腐ってた公任君が好きだ。

さすが公式アンソロジーというクオリティ。

輪るピングドラム ファビュラス・アンソロジー (書籍扱いコミックス)

星野 リリィ、他 / 幻冬舎



しかし5名以上ガンパレのアンソロで見たことのある作家さんだわ―と感慨にふけること暫し。
豪華執筆陣ということで、捨てのない素晴らしいアンソロジーでした。よくアンソロって買うだけ買って売っちゃうことがほとんどなんですけど、これは売らない。きっと。
みんな好きだけど、一番はふみふみこさんのペンギンwwwwwくぁいいwwwwwww
あのひらがな関西弁が堪らんwwwwww
でもやっぱりラストの星野さんの話は別格だなぁ。公式の延長線上だよこれ。アニメ見てた人にはすべからく読んでほしい話だった。


そういえば買っていました。

輪るピングドラム キャラクターソングアルバム

トリプルH / キングレコード



いいアルバムでした。歌詞の昭和の匂いが堪らない。学生運動とか盛んだったころの歌なんだろうなって。それがピンドラの世界観にぴったりはまってました。


今日のニコニコ



もはや別の歌wwwwwwクリスマスソングわかるwwwwwwwww



俳優瀬戸口
瀬戸口視点その…多分、5


「それで、この広告のお仕事の話をされたんです。エンゲージリングの…契約は年単位で、このお仕事だけって口説かれました」
 呆然とする瀬戸口の前で、壬生屋はぽつぽつと事情を説明していた。スタッフの打ち合わせ等で喧しいスタジオは、誰も二人のそんな様子に頓着していない。あるいは、例の社長に言い含められているのだろうか。
「わたくしにはよく解りませんけど…瀬戸口さんの人気の心配をしたら、笑われました。今はそんなに前世紀的な考え方をする人は少ないし、何より貴方はアイドルじゃなくて俳優だって――あと、恋多き男がたった一人を愛する姿を、嫌いな女はいないって」
 それはまぁ確かに、話題の若手俳優が、リアルの恋人とエンゲージリングの広告になんか出たらそれは話題性は充分だろう。壬生屋の容姿を確認して、クライアントは否とは言わないはずだ。まさか、と瀬戸口は嫌な予感に襲われた。あのクソ可愛らしかったジャージ壬生屋の姿を見た時から、社長はこの企画を温めていたのではなかろうか。壬生屋はジャージ姿を呆れられてマジマジ見られたと思っているようだが、文字通り隅から隅まで値踏みされていたのだろう。鏑木の暴挙に気付いた時にも、これは好機と思って泳がせていたのかもしれない。仮に二人の仲が割かれたとて、その時は通常のように女優かモデルを手配すればいいだけのことだ。
「~~~~~~~あぁぁぁぁぁぁ、完全に掌の上だな…」
 瀬戸口の苦悶の声をどううけとったのか、壬生屋の顔が不安そうに翳る。
「…勝手なことをしてごめんなさい。でも、我慢できなかったんです。だって、日本中の人が瀬戸口さんを知っていて、でも、瀬戸口さんがわたくしの…あの…恋人、ということは誰も知らなくて――皆に言いたかったんです。貴方は、わたくしのものだって」
 熱烈な愛の言葉に、瀬戸口は頭の芯がじんっと痺れ、壬生屋の心細げな顔に気付くのに遅れてしまった。
 うるうると潤みだした壬生屋の瞳に自分が映っているのを確認し、瀬戸口は慌てて壬生屋の手を握ると、言葉を継ぐ。
「…怒らないよ。俺の方こそ、壬生屋を沢山不安にさせてごめんな?壬生屋の笑顔も、美しさも、魅力的な部分は全部一人占めにして、誰にも見せたくなかったんだ」
 壬生屋の顔を覗き込んで微笑めば、途端潤んだ瞳が笑みを含む。――どうもこの姿でそんな顔をされると、キラキラして瀬戸口は仕事中であることを忘れそうになるのだが――
「…そんなの、ズルイです。わたくしだって、瀬戸口さんの笑顔も、かっこよさも、素敵な部分は全部一人占めしたいんですから!それに瀬戸口さんと違って他の殿方とこんな風に近づきませんもの!少しくらい我慢してください」
 ああメイクばっちりの顔でそういう子どもっぽいふくれっ面もイイ!凄くイイ!と若干岩田めいたことを考えながら、瀬戸口は幸せな溜息を吐いた。どうやっても自分は壬生屋の「お願い」を断れない。それに我慢ができないのは自分だって同じだ。
「そうだなぁ。俺も今、こんなに綺麗なお前さんを誰にも見せたくないって気持ちよりも、これが俺の女です!って世界中に言いふらしたい気持ちのほうがでっかいよ」
 重ねた手に力を込めれば、壬生屋は頬を染めて、「嬉しいです」と小さく言った。自分の心の中に明かりを灯すようなその声に、瀬戸口も思わず頬を染める。
 まぁ、瀬戸口にも打算があった。通常こういった夫婦や親子関係を前提にしたキャスティングは、その関係が破局したり、あるいは浮気報道等マイナスなイメージを植え付ける騒動があれば、莫大な違約金を要求され、広告キャラクターから降板させられるのが常だ。勿論破局や浮気等する予定はないし、このままゴール(結婚)まで一直線のつもりだが、それでも付き合い上色々なお誘いをうけるだろう。
 この仕事をすれば、そういった余計な誘いが減るに違いない!それに壬生屋の周囲の変な男ども(大変失礼な物言いである)もそうやすやすと壬生屋にちょっかいを出さないはずだ!
 といった若干不純で安易な考えである。それでも、瀬戸口にとっては大事な事だった。
「…あ、あのぅ、瀬戸口さん…」
 そういった打算に瀬戸口が囚われてたところ、壬生屋が小さく声を上げる。先ほどのの声とうって代わり、おずおずと心細げな声だ。
「わたくし、あの、今の今まで、先ほどお話したことばっかり考えて…それで、肝心のお仕事についてあんまり考えていなかったんですけど…安心したら、急に緊張してきてしまいました…」
 気がつけば、壬生屋の小さな手が震えている。先ほどまでの柔らかな表情はどこへやら、がちがち固まった表情に瀬戸口は思わず噴き出してしまった。相変わらず猪突猛進というか、後先考えないというか…
「笑わないでくださいっ」
「あー、ごめんごめん。まぁその辺は俺に任せて」
 そろそろ準備も終わったのだろう。ライティングの調整と、カメラの確認が始まっている。――その辺のスタジオの空気を横目で確認しながら、瀬戸口は壬生屋の腰を抱いて引き寄せた。確か最初の指定のポーズはこんな感じだったはずだ。
 壬生屋の耳元に唇を寄せて、とっときの甘い声を吹きこむ。彼女に自分以外を全てを忘れさせるような。
「壬生屋は俺の事だけを見て。それだけでいい。俺を見る壬生屋が、世界で一番綺麗なんだから」


多分次でラスト。
拍手沢山ありがとうございます。
本当に更新の励みです。
以下お返事

More

# by haruyi | 2012-05-06 21:48 | コネタ | Trackback | Comments(0)

心がざわつく

読み終えたとき何ともいえない気持ちになって、どうしたものかと思って表紙を見たら、
帯の言葉に激しく納得。
心がざわついた漫画でした。

空が灰色だから 1 (少年チャンピオン・コミックス)

阿部 共実 / 秋田書店



ヤンデレの見本市か…みたいな話もあれば、シングルマザーの苦悩もあり、明らかなギャグ回もあり、思春期特有の甘酸っぱい話もあり…という毎回読み切り形式のシリーズ。なんというか、素直に「面白かったな―」「感動したなー」って言えずにどこかで残尿感のような「理不尽?」「気持ち悪い?」「あれー」という感覚が残るというか、それが逆に気持ちがいいというか…そうなんだよね、帯にあるように「うまくいかない」人たちの話なんだよね、基本的に。みんなこんな激しくはないけど同じような不器用さを抱えているから、素直に面白いって言えないんだろうか。

でもこれのおかげでその前に読んでたこれに対するざわざわ感にも説明がついた。

西村ツチカ作品集なかよし団の冒険 (リュウコミックス)

西村 ツチカ / 徳間書店



理不尽、というか、素直に面白いって言っていいのか気にとがめる感覚が微妙にあってこれもやっぱり「うまく生きていけない」人の話だからなんだろうな、と。基本的に。
まぁひきこもりとかいじめとかこっちのほうがあからさまでえぐい気もする。
とくに衝撃的だったのは「ピューリツァ賞」。もうほんと、登場人物の一人として好きなやつがいないっていう。主人公はかわいそうだと思うけど好きにはなれないし、ヒロインもどうやっても身勝手にしか見えないのに、面白いんだよこれ…。おんがえしの夜が一番可愛い(笑)
でも心が弱ってるときには読まないほうがいいかもしれない。


今日のニコニコ



アトルスさんの曲にして随分ききやすい、と思いつつも好き!この中二くさいところが相変わらず堪らん!

何故かリンクが貼られていたので聞き返してはまる。


こっちのテイストのほうが確かにっぽい。この心が不安定になる感じ。
タイトルのざわざわに近い感覚…気持ちいいのか。気持ち悪いのか。


俳優瀬戸口
壬生屋さん視点その5



「嫌です」
 壬生屋はきっぱりと目の前の彼女の頼みを断った――渡された名刺には鏑木と名が記されていたが、その名刺すら壬生屋は受け取らなかった。その鏑木の、表情のない童顔を真っ直ぐ見る。
「――わかってます。勿論ただでとは申しません」
 テーブルの上にすっと厚みのある封筒を乗せられて、壬生屋は悲しみを通り越して、怒りがわきがるのを抑えきれなかった。
「馬鹿にしないでください!」
「馬鹿になんてしてません。これは瀬戸口の気持でもあります。貴方をただ傷つけた詫びだと」
 壬生屋は皆まで言わせずに、その封筒を弾き落した。床に札束が無造作に飛び出たが、それも眼中になかった。思わず立ちあがる。
「ふざけないでください!少なくともわたくしの知る瀬戸口さんと言う方は、こんな無神経な事をしません!それに、仮に――仮にこれが彼の本心だったとして」
 壬生屋は喘ぐように息を継いだ。曇り始めた視界に慌てて瞬きをする。
「直接、彼の口からきかせてください。あの方が、わたくしよりもお仕事をとるというのなら、わたくしはそれを甘んじて受けます!」
「それは」
 尚もマネージャーが言い募ろうとした瞬間、唐突にカラオケボックスの扉が開いて、二人は思わず口を噤んでそちらを見た。
「あ」
「社長!」
 目の前の女性が発した言葉に、壬生屋は二重の意味で驚いた。扉を開けたのは、いつかの事務所で自分を値踏みするように見た美しい女性だった。今日も体のラインがすっきりと出る、濃紺のスーツに身を包んでいる。しかし、「社長」と言うことはこの女性は瀬戸口の事務所の社長なのだろうか。
「…鏑木ぃ、この金は何?」
 扉を静かに閉めるなり、美しい女社長は顔に似合わぬ低い声を出した。目の前の鏑木の顔から、見る間に血の気が引いていく。
「わ、私の貯金です」
「違うでしょ!私が聞いてるのはそんなことじゃない!この金を、彼女に渡す事を誰が指示したかって聞いてるの!」
「わ、私が、瀬戸口さんのことを思って…独断、で」
「ふぅん?自分がマネジメントしてるタレントの逢引相手を記者に垂れこんで、記事にさせることも独断で、その上で交際相手に金を渡して処理するのも独断?貴方随分偉くなったのね」
 壬生屋は思わず肩を震わせた。あの記者?あれが鏑木の差金?しかし何故。あんな記事は、瀬戸口のマネージャーである彼女にとっても不都合だろうに。
「もう観念なさい。貴方がどんな小細工をしたところで、二人の仲がどうこうなるものではない事くらい、瀬戸口くんと彼女の態度を見ていればわかるでしょう!」
 とどめとばかりに放たれた叱咤に、鏑木はとうとう肩を落として泣きだした。壬生屋も気が抜けたように席に着く。それを見届けると、社長は溜息をついて鏑木の横に座った。
「…私の見込みも甘かったわ。貴方は、こういうことに流されない子だと思ったんだけど」
「――わかってます。こんなドジで、呑み込みの遅い私にも、瀬戸口さんは優しくて…でも、それは私に限ったことではなくて。でも、でも、そこが素敵で、好きで」
 壬生屋はその鏑木の独白を、怒りを持って聞くことができなかった。それは壬生屋にも死ぬほど覚えのある感情だった。
「告白するつもりも、どうこうなるつもりもなかったんです。でも、あんな、あんな瀬戸口さんの顔みちゃったら、我慢できなくって」
 そこから先は、嗚咽で良く聞き取れなかったが、鈍い壬生屋でも予想がついた。やはり怒れなくて、ただただ眉をひそめて俯く壬生屋に、社長はすまなそうに笑いかけた。
「――今回はごめんなさい。うちの社員が迷惑をかけて。この子は瀬戸口の担当から外して、お茶くみからやり直させるわ…怒らないのね」
「…怒って、います。でも…その方の気持ちも、わかりますから」
「そうね、瀬戸口君は女性には誰にも優しいし、ましてやあの顔ですもの。ずっと傍にいて好きにならないほうが難しいわ」
 謝った直後のその言い草に、壬生屋は先ほどまでの沈んだ気持ちも忘れて、社長を睨みつけた。
「ま、怖い顔。でも怒った顔も魅力的ね」
「…からかっていらっしゃるんですか」
「いいえ。本当の事を言っているの。――遠い世界にいるもてる恋人。周りには絶世の美女ばかり。この状況で不安にならない女がいたら、それはもはや聖人ね。恋人と別れてすぐにでも出家すべきだわ」
 壬生屋は言い返さなかった。それはまさに壬生屋の心情をぴたりと言い当てていたからだ。瀬戸口を信じている。けれど自分の不安が完全に無くなる日などないだろう。
「ねえ、だから壬生屋さん」
 目の前の社長が優美に笑う。しかしその笑顔は怒ったときの整備班長の顔によく似ていた。目が笑っていないのだ。何かを見定める様に、炯々と輝くそれ。
「どうせなら、日本中に宣戦布告してみない?瀬戸口隆之は、壬生屋未央のものだって」


これもある種芸能ものの醍醐味。


ぱちぱちありがとうございます!
以下お返事

More

# by haruyi | 2012-05-05 14:31 | コネタ | Trackback | Comments(0)

すみれちゃんいい子過ぎて泣いた

いやもう2,3回は。涙腺ゆるくなったのかと思った。

すみれファンファーレ 1 (IKKI COMIX)

松島 直子 / 小学館



両親が離婚して、お母さんと暮らすすみれちゃんの日常を描いた作品。
とにかくすみれちゃんがいい子でいい子で泣けた。すみれちゃんの純真さに揺さぶられる周りの大人たちの姿にも泣かされた。なんかもういい子過ぎて、逆に心配!すみれちゃん…ただ、いい子過ぎてはなにつくってこともないんだよなぁ。不思議。きっとすみれちゃんが、無理をしてる感じがあんまいからかなぁ。あとすみれちゃんオタクの匂いがするからかwwwwいや実際相棒刑事オタクだけどなwwwwいや、実はこの本を買った決め手は、裏に書いてあった「好きなTVドラマは相棒刑事」っていうすみれちゃんのプロフィールなんすけどwww花屋のお兄さんの話が好きだなぁ。
あと巻末のオマケマンガや、作中に出てくる相棒刑事がもう伏せ字もなんもなく右京さんとかんべくんなんで若干版権の心配をしてしまったのですが、相棒系の書籍はほとんど小学館から出ているので、その関係で許可とってるのかなぁと余計な邪推。

これケイゾク→SPECときた人は間違いなく読むべき漫画。

SPEC~零~ (カドカワコミックスAエース)

了 春刀 / 角川書店(角川グループパブリッシング)



柴田の格好に懐かしすぎてなんかすごい興奮した。そうだこういうだっせぇ格好して、いつも頭洗ってなかったよね…ドラマの前日譚なので、ケイゾク知らない人も是非。っていうかこれでもう2時間ドラマ作っても善かったのに…

もっと先が見たい作家さん。

さらば、やさしいゆうづる (KCx(ITAN))

有永 イネ / 講談社



デビュー作を含めた短編集。なんというか、勘所というか、ツボを凄く心得ている感じの作家さんだなぁっと。とくに表題作は好き。あの夕陽のシーンはくるなぁ。
なんだかんだいって、全部の話が本当にハッピーエンドで、優しい気持ちになれた。
ただ熱狂的な「うをぉぉぉぉぉぉぉ」という昂りは感じなかったので、次回作に期待。まぁこの昂りはまったくもって私の個人的なツボの問題なので…


俳優瀬戸口

瀬戸口してんその4

「俺、このままじゃ死んでしまう…」
 控室でぐったりと横たわりながら、瀬戸口はか細い声で呟いた。今の自分はどんなに情けない顔をしているだろうか、と暗澹たる気分になり、慌てて顔の上に雑誌を置く。
 あの社長室での尋問(と瀬戸口はあの出来事に名前を付けている)における瀬戸口の一世一代の宣言は「…あら、そう」とやけにあっさりとした反応で流されてしまった。
「まぁ、男女交際禁止、なんて昭和のアイドルみたいな事、貴方には求めないわ。すこうし人気が沈静化するかもしれないけど、それぐらいは覚悟しなさい」
「…こんな記事一つで、そこまで大事になるとは思いませんけど」
「あら、意外とこういう記事の方に信憑性を感じる人間もいるのよ」
「…彼女は一般人です。恋人であることは否定しませんが、俺としては静かに交際したいので」
「ふぅん…でも、人の口に戸は立てられないし、何よりも彼女本人が耐えられるかしら?」
「――あいつは、強い女です。色んな意味で」
「その辺は本人同士にお任せするわ。でも元アイドルとしての忠告だけど、フォローはマメにしてあげた方がいいわよ。…今の貴方には難しいかもしれないけど」
 そう言われて、瀬戸口は初めて自分は明日から1週間ほど海外ロケに行かねばならない、ということに気がついたのだった。

 海外ロケ前日でも、瀬戸口のスケジュールはみっちり詰まっていて、壬生屋に電話を1本入れるのがせいぜいだった。あの時の壬生屋の心細げな声といったら!海外に行くのもほっぽり出して、熊本に飛んで行ってすぐにでも抱きしめてやりたかった。
 ――でも俺には、壬生屋が不特定多数の人間の目にさらされるのが、我慢ならないんだ。
 あの時伝えられなかった言葉。自分の職業を考えれば、何と自分勝手な話だろう。でもあの美しさが、気高さが、自分以外の誰かにも伝わるのを、瀬戸口は恐れた。狭量な男だ、と我ながら思う。しかしまぁ、壬生屋の可愛らしさの前には狭量にもなろうというものだ。
 それに、一つ気になることもある。あの熊本での逢瀬。何故記者は壬生屋の家の周囲をはっていたのだろう?自分のあとをつけてきたのならわかる。だが腐っても元絢爛舞踏。つけてくるようなことがあればまいたし、無論そのような気配はなかった。つまり、記者はあらかじめ瀬戸口が壬生屋の家に向かうことを知っていた、ということだ。何故?どこから?まさかあの事務所前の一件だけで?であればその有能な記者は芸能部ではなくてさっさと政治部などの花形部署へ行くべきだ。

 海外ロケはいたってつつがなく終わった。黒い月が消滅した現在、海外に行くのは勇気さえあれば容易い事になった。今回の瀬戸口の役目は、幻獣が消えて、かつての名勝や遺跡がどうなっているのか…そういった特番のナビゲーターだ。いつものマネージャーはパスポートを持っていないというのと、海外に行かせるにはいささか心もとないと言う理由で、男性のベテラン社員がマネージャーとして着いてきてくれた。ロケがつつがなく終わったのは、彼の力によるところも大きいだろう。そういえば、緑の生い茂る万里の長城を眺めながら、社長の恋愛遍歴について聞いたことがある。彼は渋りながらも、今の瀬戸口の状況の助けになれば…と思ったのか、一つ教えてくれた。
「――昔、結婚の直前までいった人はいたみたいですね。それこそアイドルの頃に。でもまぁ、それは昔の芸能界ですから色々あって…結局それで、結婚もアイドルを続けるのも駄目になったって」
 でも、今の社長も魅力的だからいんじゃないですか、と笑う彼に、瀬戸口も大いに賛同した。

 そして時差ボケが直らないうちから、そのまま広告撮影だ。いつものマネージャーにあう暇もなく、男性社員に連れられてそのままスタジオ入り。
「…いいのか、今の俺ひっどい顔だけど…」
 恐ろしいことに、戻った空港で初めて企画書を渡された。確か、アクセサリーの広告とCMの同時撮影で、女性モデルとの絡みがあると――
「瀬戸口さーん、メイクお願いしまーす!」
 ノックの音と、扉の向こうからの呼びかけに瀬戸口はよろよろと立ちあがった。


 流石、プロの仕事は違うと、瀬戸口はモニターに映る自分の顔を眺めた。目の下のクマやら何やら、疲れた気配はすっかり覆い隠され、いつも以上に顔が引き締まって見える。渡された衣装は白いスーツ…企画書を読んだ時から覚悟していたことだが、やはり密着度の高いCMになりそうだ。エンゲージリングのCM…絡みがない方がおかしい。ただ不思議だったのは、相手役のモデルの部分が【キャスティング中】と伏せられていたことだ。まさか今の今になって選考中ということはないだろうが、企画書を製作する段階でも、揉めていたということは相当キャスティングに難航したのだろう。
 だから
「壬生屋さん入りまーす!」
 スタッフの掛け声を、瀬戸口は最初聞き間違いだと思った。あるいは、若手のモデルでそういう名前の子がいるのかな、と。
 けれど、連なるライトやカメラの向こうから、しずしずと現れたのは
「…嘘だろ…」
 ウェディングドレスとは言えないが、シンプルでけれど胸元に大きな花のコサージュをあしらったドレープの美しい、白いドレス。剥き出しの肩に流れるのは、緩くまとめられた長い黒髪。胸元のコサージュと同じ花飾りが髪に挿され、青い宝石のような瞳を際立たせている。メイクをすることで、元々はっきりしていた目鼻立ちに年相応の色香が添えられ、その艶めいた美しさに、瀬戸口は思わず息を呑んでしまった――けれども、まごうことなくそれは壬生屋未央だった。

# by haruyi | 2012-04-30 02:13 | コネタ | Trackback | Comments(0)

才能とは何か


ほのぼの将棋漫画だと思ってたんですが、なんか将棋の子ちっくになってきたよ…

ひらけ駒!(5) (モーニング KC)

南 Q太 / 講談社



多分、宝君はプロを目指す。そして、年下に真性の超天才登場。やっばい、これは将棋の子路線だ…本誌を読んでいて女流云々の話がでてきて、なお一層それを強く感じました。
ただこういうので家族ぐるみの描写は珍しいし、アマチュアのお母さんの視点がある分まだ随分優しい話だとも思う。というかそこがいい。救われる。でも次の巻がどきどきだ…

せっかくだからコレも

サラの柔らかな香車

橋本 長道 / 集英社



元奨励会橋本さんのデビュー作。金髪碧眼のおそらく『天才』であるサラの登場によって交錯する、元奨励会会員と、女流棋士と、アマチュアの天才少女の物語。
最初は割とルポ形式で読みづらいか…と思ったのですが、途中からはぐいぐい引き込まれて一気に読んだ。面白かった!
この中で何度も登場人物は「才能とは何か」「天才とは何か」って問いかけるんですけど、著者の経歴を知っている以上、これはきっと橋本さんがずっと考え続けてきた事なんだろうなぁって思うとぐっとくる。
サラの天才ぶりよりは、それによってゆすぶられる周囲の人の姿が魅力的で、橋本さんもきっとそれが書きたかったんじゃないかな。女流の塔子さんがとにかく可愛い。美しい。そいで持って幼い日の二人の恋愛にキュンとなった。可愛い。
でも一番感情移入したのはアマチュアの女の子話かな…何故最終章はこの子視点なんだ?と思ったら、まさかこのラスト…
このラストシーンで、この作品が大好きになりました。将棋のわからない人でも全然楽しめます!

今日のニコニコもせっかくなのでこれ



なんだこれかっこいいな!最後に何故かネタが仕込んであったけど…wwwwwハチワンダイバーみたいになってますが、将棋そのものの絵ずらはとても静かですよ…

あとこれも。こっちは本当になwwwwwwwwんwwwwwwwだwwwwwww
罰ゲームかwwwwwwwwwwwwww



はっしーが落ち着いたと思ったらこれだよ!元の髪型から考えても間違いなく悪ふざけですね!わかるよ!ヒドス…


あと唐突ですが今期視聴中のあにめ
フェイト、うぽって、ルパン、アポロン、つり球、アクエリオン、めだかBOX、ヨルムンガンド…結構見てますが、どこまでが残るかなぁ
ひとまずいわずもがななクオリティのフェイトは置いておくとして、うぽってとルパンが予想外に面白いです。うぽっては雑学アニメ側面が凄い楽しい。じゅうの勉強になるよ!あとSEの銃声は本物のようです…
ルパンは作画が凄いすきー。ダーティーな色が強いのがまた好み。
アポロンとめだかは原作が好きなので。アポロンはやっぱり音楽がつくとまた格別。原作もよかったけど、曲を探すのが少し…めだかはまだ日常パートなので、ギャグアニメとして楽しんでます。
さてどこまで最後まで見れるかな…


俳優瀬戸口

壬生屋視点その4


壬生屋に――いや、壬生屋家にその一報を齎したのは、やはり加藤だった。
「み、み、未央ちゃん!これ!」
 帰宅する弟子たちを見送って、庭の掃除をしていた壬生屋は無理やりに縁側に座らされ、その目の前に加藤は同じ雑誌を何冊も放りだした。後から聞けば「いやー、まぁ無駄な抵抗ってのはわかってたんやけど、少しでもこれを読む人間が減ったらええなっていう…」と苦笑しながら教えてくれた。だがその時は、何度も開かれてクセになっていたページに目をとられ、壬生屋の中の疑問は霧散していた。
「これ…」
 実名こそ表記されていなかったが、自分を少しでも知る者があれば特定は容易いだろう。
「まさか」
「あの時の記者やな、きっと」
 加藤には瀬戸口と正式に付き合いだした事を報告していた。また、それに至る経緯も。今まで散々自分を応援してくれた親友は、わがことのように喜んでくれた。だから加藤はわが事のように怒っていた。
「なんや!証拠写真の一つもとれんかったからって、憶測だけで記事を書きよって!例えそれがホンマかて、こんな記事誰もマトモに受け取らんわ!」
 だが、壬生屋は怒れなかった。――今まで、5121関連の事で雑誌の取材を受けたり、ニュースに映った事はある。だがそれは、私的な「壬生屋未央」の話ではなかった。軍人としての、学生としての誉れ、記録…そういった『成績』の話だった。こんな風に自分の人間関係や、人格や、ましてや恋愛感情と言った『内面』の部分…誰かに見せるつもりも、そもそも見せるものでもない部分が、公になっている――それは元々恥ずかしがりやで、人みしりな壬生屋の感情を大いに揺さぶった。怒りではない。どちらかと言えば恐怖で。
 真っ青になった壬生屋の顔色に気付いて、加藤は釣り上げた目を下げて、心配そうにこちらをた。
「未央ちゃん?」
「…こ、これ、どうすればいいんでしょう?」
「どうすればって、こんなん根も葉もないって」
「でもわたくし、瀬戸口さんの恋人です…そうですよね?」
 壬生屋は震える声で言う。加藤は困ったように目を泳がせた。
「せやけど、この記事がホンマなんて認めてもうたら、記者やらなんやらがそれこそ山ほど詰めかけるんやないの?それに、瀬戸口の仕事にも――」
 皆まで言わず、加藤は口を噤んだ。この一言は壬生屋の変な自己犠牲精神を擽ると考えたのかもしれない。――だが、変なところで勘の鋭い壬生屋は、加藤の言わんとしているところに気付いてしまった。曰く――今旬の若手俳優に恋人ができたら、仕事が減るのではないか、という――
 壬生屋がその意味を深く考えようとしたところで、家の電話がじりじりと音を立てた。



「!ああ、壬生屋?」
「――瀬戸口さん!」
「――もしかして、お前さんあの記事見たのか?」
 壬生屋の震える声に思うところがあったのか、瀬戸口にそのものズバリを言い当てられて壬生屋は沈黙した。何と答えればいいのかわからなかったのだ。
「ああくそ!ごめんな、俺のせいでこんな…」
「あの、あの、っわたくし、どうすれば」
 どうすれば、瀬戸口に一番迷惑をかけないで済む?
「顔写真やツーショット撮られたわけじゃないから、TVに映るような騒ぎにはならないと思うけど――変な奴が来たら、知らぬ存ぜぬで通せよ?」
 それは予想通りの答えだったが、何故か壬生屋の心を冷えさせた。思わず細い声が漏れる。
「…わたくし、瀬戸口さんの恋人ですよね?」
 馬鹿みたいにあさましい問いかけだ、と壬生屋は一瞬で後悔したが、電話の向こうの声は優しかった。
「そうだよ――愛してる、壬生屋」
「!」
「でも俺には…!あ、ごめん!またかけ直すから!」
 唐突に切れた電話に、壬生屋はぼんやりと受話器を眺めた。『愛してる』と深い声が耳の奥に何度も響いて、壬生屋は早まる鼓動を抑えかねた。けれども一方で、最期の『でも』が気になって仕方がなかった。でも俺には――何だろう?やっぱり、仕事の事だろうか?
「未央ちゃ」
「ちょっと未央ちゃん!この記事って未央ちゃんのことじゃなーい?」
 縁側から上がりこんで、壬生屋の背中を心配そうに見守っていた加藤が声を発したのと、週刊誌を握りしめた向かいの奥さん――瀬戸口の熊本一のファンを自認する――が玄関に飛び込んできたのはほぼ同時だった。

 後はもう、加藤の独壇場だった。矢継ぎ早に質問を投げかける奥さんに、加藤は持ち前の話術でこれでもかと対応した。要約すればこんな感じになる。
 ――ああその記事よく書けてますでしょ。確かにうちと未央ちゃんと瀬戸口は同じ部隊にいてクラスメイトでした。未央ちゃんと瀬戸口?ああ、普通に仲良かったですよ。大体奥さんもファンならよく知ってるかと思うんやけど、あの男は女とくれば誰にでも優しいんですわ。勿論うちにも。当時も付き合ってる女は仰山おりましたから、そんな『地元の女』の記事、いくらでも書けるはずですわ。なんで未央ちゃんて――そりゃあ、未央ちゃんこの通り可愛いし、目立つやないですか。パイロットは花形ですから、写真も手に入れやすいし。軍隊にのこっとる連中記事になんてしたら、色々と面倒やし――そうそう、芝村絡みの職についとるのも多いですから。うちや未央ちゃんみたいに、普通にしとれば取材もしやすいでしょう。大方女優やモデルのタネも尽きて、今度は『昔の女』路線で責めようおもたんじゃないですか?まぁデマですけど。
 と、見事に奥さんは丸めこまれ、「だからこういう記事は信用できないのよねー」と最後には加藤と意気投合して帰っていった。
「もし変な電話や取材が来たら、今の感じでとぼけるんやで!」
 という加藤のアドバイスに、壬生屋は気おされて頷いた。勿論、彼女程口はうまくない。商店街の人たちや、道場の弟子や、その保護者にもちらほらと同じような質問は受けたが、壬生屋はなんとか加藤と同じような事を言って難を逃れた。たまに妖しげな電話もかかってきたし、記者のような男に待ち伏せされることもあったが、大体同じような切り抜け方で何とかなった。
 そうだ。証拠なんてどこにもない。何より、恋人としての逢瀬なんて、あれが最初で最後だった。だからデート姿やツーショットの目撃情報もなく、誰もかれもがあっさり引き下がっていった。壬生屋はそれに安堵し――同時に、寂しくなる自分に気が付いていた。
 ――容易く何もかもなかった事にできる関係。
 まるで、誰かにそう言われている気がして。だから考えたくもない事を考えてしまう――瀬戸口のためには、このまま何もなかった事にした方がいいのではないか、と。
 だから壬生屋は――取材ではありません、と前置きされた電話に応じたし、その妖しげな呼び出しにも応じたし、その呼びだされたカラオケ店の個室で、瀬戸口のマネージャーに
「――瀬戸口のために、別れてもらえませんか。今なら…何もなかった事にできます」
 そう囁かれても、驚きはしなかった。ただ、悲しかった。


まぁ芸能ものの王道ですよね☆

# by haruyi | 2012-04-29 21:29 | コネタ | Trackback | Comments(0)

< 前のページ 次のページ >